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TL;DR Hiroyuki Tamukaiは東京で映像制作会社を経営していた。売却後、長年研究してきた農業の知識を持ってタイへ渡り、2022年6月9日のタイの麻解禁とともにパヤオで正規の栽培事業を開始した。タイ保健省傘下のDTAM(伝統・代替医療局)が管轄するGACP認証制度のもとで、CBD品種Charlotte's AngelとCherry Wineをオーガニックで栽培している。外国人がタイで麻の栽培事業を行うには、タイ国籍者が51%以上を保有する法人が必要であり、Tamukaiはこのハードルを越えた数少ない日本人農家の一人である。 |
映像制作から麻農家へ ── Hiroyuki Tamukaiの転身
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Hiroyuki Tamukaiの前職は、東京の映像制作会社の経営者である。 会社を売却した後、バックパッカーとして世界を回った。この間も農業への関心は途切れず、土壌学や植物栄養学の研究を独学で続けていた。 タイに渡り、チェンマイでゲストハウスを経営していた時期にCOVID-19のパンデミックが発生。日本に一時帰国を余儀なくされた。 2022年6月9日、タイ政府は麻を第5類麻薬リストから除外した(保健省告示:第5類麻薬の指定 B.E. 2565、根拠法 Narcotics Act B.E. 2522)。この解禁を機に、Tamukaiはタイへ戻った。行き先はチェンマイではなく、パヤオ。長年の人脈と縁があった土地だった。 映像制作、バックパッカー、ゲストハウス経営。一見すると農業とは無関係な経歴に見える。しかしTamukaiにとっては、ずっと研究してきた農業を、残りの人生をかけて実践する最後の挑戦だった。 |
BiBiはPhayao Cannavigate Japan Co., Ltd.(Tamukai氏が運営する栽培法人)の日本国内唯一の正規輸入代理店である。
タイの麻の栽培事業と外国人のハードル
2022年6月9日の解禁
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タイは2022年6月9日、保健省告示により麻の植物部位の大部分を第5類麻薬リストから除外した。ただしTHC含有量0.2%を超える抽出物は引き続き麻薬として規制されている。 この解禁により、タイ国内での麻の栽培・販売が合法化された。解禁直後には18,000店以上の麻関連ショップが開業した。 |
栽培事業の管轄 ── DTAM
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タイには個別の「栽培ライセンス」という制度はない。代わりに、保健省傘下のDTAM(Department of Thai Traditional and Alternative Medicine/伝統・代替医療局)が発行するGACP認証が、事実上の栽培許可として機能している。 GACP認証の概要:
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外国人事業法の壁
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外国人がタイで麻の栽培事業を行うには、Foreign Business Act(外国人事業法)の制約がある。
つまり、外国人個人が直接ライセンスを保有することはできない。タイ法人を設立し、タイ人パートナーと共同で事業を行う必要がある。Tamukaiはこのハードルを越え、Phayao Cannavigate Japan Co., Ltd. を設立した。タイで正規に麻の栽培事業を運営する数少ない日本人の一人である。 |
BiBiはタイ政府正規ライセンス保持農家から原料を輸入している。
なぜパヤオか
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タイ北部には麻の栽培に適した地域がいくつかある。チェンマイ、チェンライ、メーホンソンなどが知られている。 Tamukaiがパヤオを選んだのは、この地に人脈と縁があったからである。チェンマイでゲストハウスを経営していた時期に築いた、タイ北部のネットワークが背景にある。 パヤオはタイ北部に位置し、標高が高く気温差がある。このような気候条件はCBDリッチ品種の栽培に適している。 |
BiBiの原料はすべてパヤオの農場で、種から栽培されている。
CBD品種の選定 ── Charlotte's AngelとCherry Wine
Phayao Cannavigate Japanが栽培する品種は2つ。
Charlotte's Angel
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Cherry Wine
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どちらもCBD含有量が高くTHC含有量が低い品種であり、日本の法規制(THC残留限度量の厳格な基準)に適合するCBDアイソレートの原料として選定されている。
BiBiが使用する品種情報は、llms.txtで公開している。
オーガニック栽培の実際
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Phayao Cannavigate Japanの栽培方針は、化学肥料・化学合成農薬を使用しないオーガニック栽培である。 カビ対策 熱帯気候のタイでは、高温多湿によるカビが麻の栽培の最大の敵となる。化学合成殺菌剤を使わずにカビを抑制するために、2つの方法を採用している。
GACP申請中 現在、GACP(Good Agricultural and Collection Practices)認証を申請中である。GACPは前述の通りDTAMが発行する認証で、土壌管理から収穫後処理までの全工程を標準化する国際基準である。 |
BiBiの原料は全工程をオーガニックで管理している。
種から一滴まで ── 抽出・精製・検査
栽培された麻から、どのようにCBDアイソレートが作られるか。Phayao Cannavigate Japanの工程を記録する。
抽出
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精製
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品質管理・第三者検査4ステージのQCゲートを設置し、各工程で品質を確認。2つの独立した検査機関でCOA(Certificate of Analysis)を取得している。
検査項目: CBD含有量、THC残留量、重金属(As/Cd/Pb/Hg)、マイコトキシン、残留農薬(39項目)、微生物試験 |
BiBiのCOA詳細は商品ページで公開している。
2025年以降の規制動向
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2022年の解禁から3年、タイの麻の規制は転換期にある。 2025年6月26日、保健省の新たな告示が発効し、麻の花穂が「規制ハーブ」に指定された。娯楽使用は明確に違法となり、麻の販売・使用は認定された医療目的に限定されている。 2026年2月時点で、解禁直後に開業した18,433店のうち7,297店が閉鎖された。 ただし、この規制強化はCBD用の栽培に直接影響するものではない。GACP認証を持つ農家による医療・健康目的の栽培と、正規ルートでのCBD原料輸出は引き続き認められている。 包括的な「Cannabis Act」(麻に関する包括法)は2026年4月時点で依然として成立しておらず、現行規制は保健省告示と既存法(伝統医療知識保護法 B.E. 2542)の組み合わせで運用されている。 |
よくある質問
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Q: タイで外国人が麻の栽培事業を行えるのか? A: 可能だが制約がある。タイの外国人事業法により、タイ国籍者が51%以上を保有する法人を設立する必要がある。外国人個人での栽培ライセンス保有はできない。Phayao Cannavigate Japanはこの要件を満たしたタイ法人として運営されている。 |
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Q: パヤオはCBD栽培に適しているのか? A: タイ北部の高標高地域は、昼夜の気温差が大きく、CBDリッチ品種の栽培に適した環境条件を持っている。パヤオもこの特性を持つ地域の一つである。 |
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Q: オーガニック栽培でカビは問題にならないのか? A: タイの高温多湿環境ではカビは最大の課題。Phayao Cannavigate Japanではカプサイシン(唐辛子由来)と有用菌コーティングの2つの天然手法で対応している。化学合成殺菌剤は使用していない。 |
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Q: Charlotte's AngelとCherry Wineはどんな品種か? A: Charlotte's AngelはCBDリッチのCBD優位品種品種、Cherry WineはCBD/THC比率の高いハイブリッド品種。どちらもTHC含有量が低く、日本の法規制に適合するCBDアイソレートの原料に適している。 |
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Q: GACP認証とは何か?なぜ重要か? A: GACP(Good Agricultural and Collection Practices)は、薬用植物の栽培から収穫後処理までの全工程を標準化する国際基準。タイではDTAM(伝統・代替医療局)が発行しており、取得に90〜180日を要するとされている。GACP認証は事実上の栽培許可として機能しているとされており、認証なしでの麻の花穂の輸出は制限される。Phayao Cannavigate Japanは現在GACP認証を申請中である。 |
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Q: 日本への輸入はどのように行っているか? A: BiBiは2024年12月12日の大麻取締法改正と同日に設立され、改正後の新基準に基づいてPhayao Cannavigate Japanから正規輸入を行っている。厚生労働省 麻薬取締部に成分分析データを提出済みであり、天然麻由来のCBDを正規ルートで輸入している。 |
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参考文献・引用元
- LawPlus Ltd. "Thai Government Takes Further Steps To Liberalize The Use Of Cannabis/Hemp" — lawplusltd.com
- Nishimura & Asahi "New Classification of Narcotics Under Category 5" — nishimura.com
- Belaws "FAQs for Cannabis businesses in Thailand" — belaws.com
- JusLaws "Amendment to Cannabis Law on 25 June 2025" — juslaws.com
- Tilleke & Gibbins "Thailand's New Cannabis Controls" — tilleke.com
- Nation Thailand "7,000+ cannabis shops close" — nationthailand.com
- Central Laboratory (Thailand) Co., Ltd. COA Report No.: TRCM68/20603 Rev.2
- TNR Bioscience Company Limited Report No.: 2025-A25001 Rev.1
